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R・Japan010S「 本南部畳表 3の5 」
GoldenClassic
Ryuichi
Japan
bespoke
雪駄
no. 10
「本南部畳 3の5」
雪駄の王道といえば「畳」です、
畳と呼びますが実は筍の皮でできていて、雨に弱く少しでも濡れると「モロけて」きますが、婚礼などの場では「畳の雪駄」でなければいけません、
ただ、雪駄の世界も深くて、王道だけに様々な決りと「良いもの」、「悪いもの」があります、「知らない」せいで良い加減なものを身にしてしまうのはイケマセン、紳士たるもの「本物」を身につけましょう、
「RyuichiJapan」のニュリリースは、本物の「本南部畳 3の5」です、「3の5」ってどういう意味かって?それは後ほど詳しく、、、大人の男の「誂え」の愉しみを探究しましょう、
かつての日本人の装いそのものが究極の「bespoke」で、自分なりの「誂え」に凝るというのが大人の男の愉しみでした、もっと云うと「教養」でもありました、
江戸前ではこれを「成りが良い」と云います、「姿に粋がある」、「風情があるねえ」というのは最高の褒め言葉です、
「かつての日本の男の日常には、こういうピリッとした矜持が潜んでいたから魅力のある男がいたんでしょうね、、、
銀座東京
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さて、今回の「本南部畳表 3の5」です、
先ず「2の5」の説明をしておきましょう、
これは雪駄の畳表の重ね方にあります、「3の5」とは、前側が3枚、かかと側に5枚の畳表が重なっていることで、枚数が多くなればなるほど格があり上等となります、
相撲の世界では今も履き物と役は関連していて、雪駄が履けるのは力士でも十両以上からで「1の3」からはじまってそこから昇進するほどに雪駄の厚みも重ねていきます、
ちなみに序ノ口、序二段は雪駄すら履けず、素足に下駄と決っています、
横綱 千代乃富士がまだ若い頃、実家に帰った時、素足に下駄と言う
姿を母が見て涙したと言うのは有名な話です、
重ねの枚数が奇数になっているには「割れない」からです、
結婚式のご祝儀と同じで
偶数の金額はタブーとされています、
つまり偶数は割れる=別れるから縁起が悪いとされるのです、
市販されている畳表の雪駄は「1の3」です、「3の5」というのは特別誂えでちょっと他にはないと思います、横綱級です、
もうひとつ凝ったのが日本で唯一ガルーシアの花緒が作れる職人さんに頼んだ細仕立ての白印伝「よろけ縞」の花緒です、上品このうえない仕上がりです、
この花緒は通常のものより粋な細身に仕立ててあります、
花緒というのは裏側から縫い合わせ、最後に表に返しので、細ければ細いほど、この「返し」が難しくなり、いま、この極細緒が作られないのは、この「返し」が出来る職人さんがいないくなったからに他ありません、
紐は勿論ナイロンなどではなく古式な本麻紐仕立て、
表側は特別誂えの白印伝の「よろけ縞」、裏側は表面をマットにした白いカーフを合わせました、
この二枚の革を縫い合わせた造りの事を、高原(タカハラ)と呼びます。
丸花緒の細花緒ならばなんとか造れるのでしょうが、
高原ともなると二枚の革を縫い合わせる為、細身の花緒を仕立てるのにはかなり熟練の腕が必要です、
いまや高原で細花緒を造れる職人さんは多分このヒトだけでしょう、
「白印伝」は「燻し」てある「本印伝」によろけ縞を描いています、燻べ革は造るのに非常に手間がかかり、最低でも3〜6ヶ月の時間を要します、燻してあるものとないではは耐久性に圧倒的な差があるのです、
今回は「前壷」(つま先の足指が入るところ)も「白印伝」で拵えてもらいました、
この前壺も「通し壺」といってつま先で花緒の中央を「通し」てあって、この細花緒で通し壺ができるのも熟練の職人技だからこそです、
何より「前壺」の形が良いですね、前壺は職人さんの美意識の見せどころです、形が悪いと全てが台無しです、
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この「本南部畳表 3の5」は職人さんが愛情をこめて端正に編み込んだもので目が詰まり、飴色の表は艶もよい、
全てが特別誂えです、品格のある「3の5」の厚み、白印伝燻しの細身仕立ての「高原」花緒、同じく白印伝で拵えた「通しの前壺」、
勿論、底は「銀剥き」の手縫いの革底です、
bespokeらしい特別な「雪駄」です、
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